「アンティークコイン」とは、一般的に発行から100年以上経過した古い硬貨(主に金貨や銀貨)を指します。その中でも、年代や素材などによってさまざまな分類が行われています。こちらの記事では、各国の歴史的な背景やコレクター市場の厚みに加えて、年代や目的、素材などによる基本的な分類などを解説していきます。
年代別にコインを分類すると、紀元前に発行された「古代コイン」、中世から近代にかけて発行された「アンティークコイン」、比較的最近発行された「モダンコイン」に分けられます。
主に投資の対象となるのは、中世~近代のアンティークコインです。金・銀といった貴金属でできているというだけでなく、希少性のあるものはプレミア価格で取引されることも多くなっています。
アンティークコインの発行目的には、通貨・記念コイン・地金型金貨があります。
通貨とは、その名の通りお金として流通していたコインのことです。状態が良いものは希少性が高くなります。
記念コインとは、成婚などのお祝いで発行されるコインを指します。発行数が限定されているケースが多く、希少性が高いのが特徴です。
地金型金貨とは、投資目的で発行された金貨のことをいいます。毎日変化する貴金属価格で取引が行われます。
コインの素材とは、主にその原材料のことを指します。金で作られたコインは金貨と呼ばれ、素材自体に高い価値があります。金は劣化しにくいため状態の良いものが多く、コレクターからの人気も高くなっています。
銀でできた銀貨は、古くから通貨として用いられてきたコインです。素材としての価値は金よりも低いですが、アンティークコインとしての希少性を有します。銅で作られた銅貨は素材そのものの価値はほとんどなく、アンティークコインとしての価値が決め手となります。
アンティークコインは、その保存状態(グレード)によって「未使用」「極美品」「美品」に分けられます。
「未使用」は、コインのデザインに摩耗が見られず、製造時に近いコインの状態を指します。中でも特に「完全未使用品」は価値が高いとされています。そして、コインのデザインに少々摩耗が見られるものの図柄がはっきりと残っており鑑賞に耐えうる状態を「極美品」といいます。
そして、はっきりと摩耗や腐食が認められる状態ではあるものの、コインのデザインが判別可能なものを「美品」と分類しています。傷やスレなどがついている状態であることから、未使用や極美品と比較すると価格は下がる傾向があります。ここからは、国や地域別のアンティークコインの種類や市場の厚みについて解説していきます。それぞれのコインが持つ歴史や魅力、種類などを詳しく紹介していますので、アンティークコインに興味がある方は、ぜひどのような種類があるのかをチェックしてみてはいかがでしょうか。
古代に製造されたコインは、一枚一枚が職人の手作業によって生み出されていることから、同じ銘柄だったとしてもその表情が異なる「唯一無二の美術品」として、世界中に根強いコレクターが数多くいます。このように、投資的な流動性(売りやすさ)を求めているというよりも、そのコインが製造された歴史的な背景や、一枚一枚のコインが持つ芸術的な価値を重視していることから、古代コイン市場は「中上級向け」の市場であるといえます。
紀元前8世紀から6世紀にかけて発展し、1,000年以上にわたって存在した古代ギリシャ(ギリシア)です。ギリシャが始まりとされるオリンピックは現代まで続く世界的スポーツの祭典であるなど、多くの文化・科学・思想などに影響を与えています。
そんな古代ギリシャのコインには、ギリシャに限らず幅広く流通したドラクマ硬貨、オボルス銀貨などがあり、アレキサンダー大王やクレオパトラといった人気のデザインも多く見られるのが特徴です。その種類をチェックしてみましょう。
イタリア半島中部に位置するローマを中心に栄えた古代ローマは、地中海全域を支配した国家の総称です。紀元前753年に建国され、395年に東ローマと西ローマに分裂しました。東ローマが滅亡する1453年まで、2,000年以上にわたって存続しました。
そんな長い歴史を持つ古代ローマのコインには、2代目の皇帝であるティベリウス・ユリウス・カエサルや、5代目の皇帝であるネロなど、有名な人物が多く見られます。どのようなコインがあるのかをまとめましたので、ぜひご覧ください。
世界4大文明のひとつであり、紀元前3,000年頃に国家が形成された古代エジプトは、ファラオと呼ばれる王が統治する国でした。ファラオは太陽神ラーの化身として神権政治を行い、古代エジプトには高度な学問・文明・古代建造物が生まれました。
そんな古代エジプトのアンティークコインは、オクタドラクマ金貨・ペンタドラクマ金貨など、美しい金貨が多く存在します。装飾やデザインも美麗なものが多く、コレクターからも注目される古代エジプトのコインをまとめました。
古代ペルシアは、紀元前550~330年にペルシア人によって作られた国で、全オリエントを統一した帝国です。さらにはアフリカやヨーロッパ大陸まで領土を広げ、交易活動の舞台となるなど、さまざまな文化を生み出しています。
そんな古代ペルシアのアンティークコインは、リディア王国の貨幣製造技術を受け継ぎ製造されたダリック金貨が有名です。その他、各時代の王がデザインされたドラクマ銀貨なども人気が高くなっているため、その特徴を見てみましょう。
中世から近代(16世紀〜20世紀初頭)にかけ、ヨーロッパやアメリカで発行されたコインは、取引が行われている現代のアンティークコイン投資において最も市場が厚く流動性が高い、いわゆる「王道のジャンル」であるといえます。
中でも、大英帝国の黄金期を支えたイギリスや、カルチャーを牽引してきたフランス、価格の透明性が高いアメリカのコインについては、世界中に数百万人もの投資家やコレクターがおり、「安定した資産防衛」の対象として選ばれています。
代表的なコインには、1489年のヘンリー7世時代に起源を持つ「ソブリン金貨」や、チャールズ2世の治世に導入された機械打ちによる金貨「ギニー金貨」のほか、名匠ウィリアム・ワイオンがデザインを手がけた「ウナとライオン金貨」などがあります。「ウナとライオン金貨」はデザインの美しさからアンティークコイン市場でも高い評価を受けていることで知られています。これらのコインは大英帝国の繁栄を象徴している芸術的な彫刻が見られるなど、高い技術力が感じられることからも、世界中で需要があります。
フランスのアンティークコインは、代表的なものとして「ナポレオン金貨(20フラン金貨)」や、フランス革命前に発行された「ルイドール金貨」があります。
例えば、ルイドール金貨はルイ13世から16世の時代に発行されたものですが、表面にはその時代の国王の肖像が描かれています。特にルイ16世の肖像が描かれたルイドール金貨は、絶対王政の崩壊という激動の歴史を象徴する、非常に歴史的な価値が高いアンティークコインとして、世界中のコレクターから絶大な人気を集めています。
代表的なコインとして、「イーグル金貨(10ドル)」や「ダブルイーグル金貨(20ドル)」、「モルガンダラー」などが挙げられます。アメリカのアンティークコインのデザインは、自由の女神やイーグルなど、アメリカの建国精神を象徴している力強いデザインが多く見られる点が特徴といえます。
またアンティークコイン市場において、アメリカのコインは取引量が豊富であり、体系化された市場が存在するために、初心者にとっても適正な価格を判断しやすい点も人気の理由となっています。
その複雑な歴史的背景に伴い、コインのデザインが豊富となっている点が、ドイツのアンティークコインの大きな特徴といえます。代表的なコインとして挙げられるのが、「ターラー銀貨」や「ダカット金貨」、それぞれの都市によって発行された「都市景観コイン」などがあります。特にこの都市景観コインは、各都市の美しい風景や代表的な建造物が描かれていますが、当時の街並みが精緻な彫刻で表現されていることから、歴史的な資料としても高く評価されています。また、大型銀貨「ターラー」は、欧州の標準通貨となり、のちに「ドル(ダラー)」の語源になる程の影響を与えたという歴史があります。
代表的なものとして「ダカット金貨」や「マリア・テレジア・ターラー銀貨」、フランツ・ヨーゼフ1世時代の「雲上の女神(100コロナ金貨)」などがあります。オーストリアのアンティークコインは、ハプスブルク家の維新を示す絢爛豪華なデザインが特徴となっており、中でも「雲上の女神」はその芸術性の高さから世界で極めて高い需要を誇っています。
また、18世紀に発行された「マリア・テレジア・ターラー」は、国際貿易銀として20世紀まで使われ続けるほどの信頼を得たコインとして知られています。
スイスの代表的なアンティークコインとしては、日本国内では「アルプスの少女」という愛称でも呼ばれる「ブレネリ金貨」や、スイス各地で開催される「射撃祭」を記念して発行された「射撃祭コイン(シューティング・ターラー)」などがあります。そのほか、スイス連邦憲法制定という歴史的な転換の時に発行された「スイス ジュネーヴ 1848年 5フラン銀貨」もコレクターから支持が高いコインです。
スイスのコインは、精巧なデザインと歴史的な背景に加え、金の純度や重量が厳格であり品質が高いことから、安定した需要を生み出しています。
アジア圏とヨーロッパのアンティークコインには、デザインのや歴史観、製造技術などさまざまな違いがあります。例えばデザインでいえば、ヨーロッパ圏のものは王や皇帝の横顔(肖像画)や王家の紋章などが描かれるケースが多く見られますが、アジア圏においては、文字や皇帝を象徴する「龍」などが描かれていることが多く見られます。
またアジア圏の市場において注目されるのが、急激な経済成長により高騰した中国のアンティークコインです。これは中国の富裕層の増加によって投資が盛んになり、現物資産への投資が注目されてアンティークコイン投資が話題となったからといわれています。
長い歴史を持つ中国の中で、とくに長く続いた王朝が清(しん)です。中央アジア・モンゴル・チベットといった東アジアの大半を支配下に置き、1644年から1912年まで続いた大帝国。中国全土を統一した、最後の王朝となりました。
そんな古代中国(清)のアンティークコインは、康熙帝が発行した康熙通宝、雍正帝の時代に流通した雍正通宝など、多くの種類があるのが特徴です。似たようなデザインの通貨が多いですが、どのような違いがあるのかチェックしてみましょう。
アンティークコインは、素材でも分類することができます。下記では、「金貨のアンティークコイン」と「シルバー(銀貨)のアンティークコイン」について取り上げ、投資価値などについて解説していますので、ぜひこちらも参考にしてください。
アンティークコイン(金貨)は地金価値だけでなく、希少性や状態などの「知識」で価格が大きく変わる資産です。知識がないまま売ると大損するリスクがあるため、金価格だけで査定する業者を避け、正しく評価できる専門店など複数の専門業者を比較して納得のいく売却を目指しましょう。信頼できる業者選びが最も重要です。
アンティーク・シルバーコインは、地金としての金属価値に加え、歴史や希少性といったコレクション価値のバランスで価格が決まる資産です。本来の価値を見落とされて安く買い叩かれないためには、複数の専門業者や買取店を慎重に比較し、正しく評価してくれる納得の売却先を選ぶことが成功への最も重要な鍵となります。
こちらの記事では、アンティークコインの種類や選び方について、国別に代表的なコインや歴史的な背景などを交えて解説を行ってきました。数多くのコインがありますが、アンティークコイン投資に取り組む際には、知識や情報の収集が非常に重要になってきますので、ぜひ本記事の内容を参考としてご活用ください。そして、アンティークコインを実際に購入・売却するにあたっては、信頼できる業者を選ぶことも大切なポイントです。
こちらでは、本格的な投資家の方から資産形成を目指す方、そして投資初心者まで、それぞれの目的に応じたアンティークコイン投資サービスを提供するショップとその特徴をご紹介します。