中国の長い歴史の中にはさまざまな王朝があり、それぞれの王朝で多様な貨幣が生まれています。ここでは、そんな古代中国の中でも清(しん)の時代に作られたコインにスポットライトを当て、情報をご紹介していきます。
1636年に満州に建国された清(しん)は、1644~1912年まで続いた中国最後の統一王朝です。清が建国されるまで中国を支配していた明の制度を取り入れつつ、強力な国家を形成しました。中国全土とモンゴル・チベットなどを支配する、大帝国を作り上げました。
そんな清は、歴代の中国の王朝の中で特に長く続いた王朝となっています。
清が最盛期を迎えたのは、康熙帝(こうきてい)、雍正帝(ようせいてい)、乾隆帝(けんりゅうてい)という3皇帝が支配する約130年間です。その領土と勢力圏は最大となり、東アジアのほぼ全域を支配するまでとなりました。
清の時代には産業や商業も発達し、陶磁器・茶・生糸などを貿易によって輸出することにより、大量の銀が流入しました。庶民の文化はもちろん、税制などにも影響を与えることになります。
清はキリスト教を禁止しており、海外貿易については広東のみに限定。特許を得た商人だけが貿易を行うことができました。しかし、産業革命によって工業力を高めたイギリスが自由貿易を要求してきます。
その後勃発したアヘン戦争とアロー戦争で、清はイギリスに敗北。諸外国からの圧力と清王朝に対する民衆の不満が募るようになり、1911年辛亥革命によって清は滅びることとなりました。
引用元:古美術永澤 ( https://www.eizawa.com/case/case_coin/case-26358/)
1644~1661年の順治時代に発行された順治通宝(じゅんちつうほう)。重さは約2.4~5g、直径約24~27㎜の銅貨となっています。
鋳造初期から重量が変更されており、裏面の文字についても時期によって異なります。五帝銭の1つとして縁起物、開運のお守りとして人気のある古銭でもあります。

引用元:古美術永澤 ( https://www.eizawa.com/case/case_coin/case-25844/)
康熙通宝(こうきつうほう)は、1662~1722年の康熙時代に流通した貨幣です。4代目にあたる康熙帝が発行したもので、長崎貿易などで日本にも流入しています。重さは約2.1~5.6g、直径約22~28㎜の銅銭です。
重量は3度にわたり調整されており、大中小3種類の規格があります。比較的安定していた時代で経済が発展し、精巧に銭貨が鋳造されています。

引用元:古美術永澤 ( https://www.eizawa.com/case/case_coin/case-27026/)
雍正通宝(ようせいつうほう)は、雍正帝が国を治めていた1723~1735年の雍正時代に発行された貨幣です。重さは約3.6~5.9g、直径約24.5~28㎜の銅貨となっています。
ほかの時代の貨幣と比較して大きめのサイズになっており文字の彫りも深く丁寧で美しい仕上がりです。康熙帝の半生を描いたドラマが人気となり、雍正通宝の取引も活発となりました。

乾隆通宝(けんりゅうつうほう)は、清朝の全盛期であった乾隆時代(1736~1795年)に作られた銭貨です。6代目の皇帝である、乾隆帝が即位した年に鋳造されました。重量は約2.7~4.5g、直径は約23~28㎜となっています。
後期には領土拡大に伴い財政が圧迫されたことでコスト削減目的でスズや鉛が混ざり始め、もろく黒ずんだものになっています。一般的に使われている通常銭の他にも台湾の宝台局など鋳造量が少ないもの、型として作られた母銭など、種類によっては高値で取引されることがあります。

引用元:AW ( https://www.auction-world.co/library/item_250752.html)
1796~1820年に発行された嘉慶通宝(かけいつうほう)。この時代は、貨幣の品質やデザインのバリエーションが増えた時期とされています。重さは約2.3~5.7g、直径は約23.5~27㎜の銅貨です。
裏面には鋳造局を表す漢字、満州文字が刻まれているだけでなく、星の記号や吉兆を表す文字が刻まれたものなど、種類によって価値が異なります。後期になると財政難に陥ったことでスズや鉛の混入率が増えています。

引用元:令和古銭堂 (https://rcoin.jp/道―219古銭-道光通宝/)
道光帝の時代に鋳造された道光通宝(どうこうつうほう)は、1821年~1850年にかけて生産・流通した貨幣です。小平銭、折五、折十というバリエーションがあります。重量は約2.5~5.6g、直径は約21~27㎜です。
アヘン戦争や銅の産出量低下などの財政難により貨幣サイズが小さく薄いものとなっているだけでなく、鉛やスズを大量に混ぜているため品質も低下しているなど歴史的な背景が感じられます。折五、折十は限られた鋳造局でのみ製造されたものであり希少で高値で取引されます。

引用元:古美術永澤 ( https://www.eizawa.com/case/case_coin/case-19229/)
内乱や社会的な混乱が多く見られた、9代皇帝咸豊帝の時代である1851~1861年に発行された貨幣です。この咸豊通宝(かんぽうつうほう)には、一文銭や当千銭などさまざまな種類が見られます。重さは約5.8g、直径は約23㎜です。
咸豊通宝は財政難や銅不足という背景から使われている素材やサイズ、重量など鋳造局が独自の規格で製造していました。大型の高額面貨幣や鋳造量の少ない鋳造局のものなど、希少な貨幣は高額で取引されています。

引用元:古美術永澤 ( https://www.eizawa.com/case/case_coin/case-26771/)
1862~1874年の同治時代に作られた同治通宝(どうじつうほう)。約5.9gの重量があり、大きさは約22~25㎜です。
同治通宝は前代の咸豊通宝で高額面貨幣の流通などによりインフレを引き起こしたこともあり、財政の立て直しを図って高額面貨幣を廃止し小平銭、当十銭と限られた種類のみの鋳造となりました。銅が不足しているのは前代と変わらず、小ぶりで粗いものも見られます。

引用元:古美術永澤 ( https://www.eizawa.com/case/case_coin/case-25419//)
光緒通宝(こうしょつうほう)は光緒帝の時代の通貨です。清朝も末期を迎え、国力の衰えから大きさがやや小型となっています。重さは約5.2g、直径は約25㎜となります。
光緒通宝は中国史で初めてプレス製造された貨幣であり、手作業で製造されたものと2種類が流通しています。製造局によって裏面デザインのバリエーションが豊富でレアなコインは高値で取引されています。

引用元:収集ワールド ( https://sccw81.com/products/detail4118.html)
清朝最後の皇帝である、宣統帝の時代に発行されたのが宣統通宝(せんとうつうほう)です。重さ3.8~5g・直径23.6~24.3㎜の大型のものと、重さ約2.2g・直径18.5~19.5㎜の小型のものがあります。
わずか3年間しか作られず短命であったこと、額面は一文のみですが大型、小型の2種類があったこと、そして中国伝統の円形方孔銭の歴史に終止符を打つ貨幣であったことが特徴的です。
清をはじめとする古代中国のコインには価値の高いものが多く、レアなものほど偽物も多く出回っています。
偽物と本物のコインの見分け方については、「時代によって異なる銅の種類で見分ける」「音によって石灰化現象の有無を見る」「古銭ならではのニオイで判別する」といった方法がありますが、見分けるのは困難でしょう。
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