こちらは、紀元前195〜168年頃に鋳造された小型の銀貨です。アルカディア同盟の首都メガロポリスで作られたものであり、表には神の権威と民衆の結束の象徴として最高神ゼウスが、裏面には田舎の力を象徴する牧神パンが描かれています。
| 項目 | 基本データ |
|---|---|
| 発行国 | 古代ギリシャ |
| 発行年 | 紀元前195~168年頃 |
| 重量 | 記載なし |
| 大きさ(直径・厚みなど) | 12 mm |
| 表面デザイン | 左に月桂冠を戴くゼウスの頭部 |
| 裏面デザイン | 岩の上に座り手を挙げるパン、ラゴボロンを抱え、腿に鷲がとまっているデザイン |
| 品位 | 銀 |
| 額面 | トリオボル/ヘミドラクマ |
アルカディア同盟メガロポリス発行のトリオボル銀貨は、古代ギリシャにおける都市国家連合の歴史を物語っている重要なコインとされています。コインの状態により価格は変動しますが、8万円前後で取引されている事例があります。
非常に美しい状態や打刻が鮮明に残っているものであれば、特に高値がつくこともあります。比較的、手が届きやすい価格帯のアンティークコインですが、古代の立体的な彫刻を堪能できる点が魅力的です。
こちらのコインは非常に限定的な時代・銘柄であることから、同時代にメガロポリスで鋳造されたとされている、同タイプの構図を紹介します。
裏面の左側には「AP」のモノグラムが刻印されており、岩に座っているパン神の膝や足元にゼウスの使いである鷲がとまっている様子が描かれているもの。紀元前195〜168年ごろのメガロポリス鋳造のトリオボル銀貨における代表的な構図とされています。
パン神の前方にて鷲が左に向かって羽ばたいている姿が描かれているバリエーションもあります。こちらはより躍動感を持たせた、動きが感じられる意匠である点が特徴といえます。
紀元前371年ごろにスパルタの対抗勢力として建都されたメガロポリスは、アルカディア同盟の中心的な都市国家として機能したという歴史があります。このトリオボル銀貨が発行されたのは紀元前195〜168年ごろとされていますが、この時代は同盟の再編・独立を模索する激動の時代だったとされています。表面に描かれたゼウスは同盟全体の信仰の象徴を、裏面のパン神はアルカディア地方独自の土着の神を表していることから、都市連合の結束力と誇りをコインに刻み込んでいると考えられています。
コインの裏面には、ギリシャ神話における牧神・野生の神である「パン」が描かれています。山羊の足と角を持っているパン神が岩に腰掛け、右手を高く掲げている姿は躍動感があります。また、左腕には「ラゴボロン」と呼ばれるうさぎ狩りのための投げ杖を抱え、傍にはゼウスの象徴である鷲が描かれています。このように、アルカディア地方の特色が強く描かれている独自の意匠は、他のポリスのコインとは異なる魅力があります。
アルカディア同盟期メガロポリス発行のトリオボル銀貨を紹介しました。こちらの銀貨はゼウスとパン神の意匠が施されており、古代ギリシャの都市連合の誇りと信仰を伝える、歴史的・芸術的な価値が高いアンティークコインであるといえます。ただし、アンティークコイン投資には偽造品や状態を偽る詐欺のリスクが存在します。大切な資産を守りながら投資を行うには、信頼できるパートナー探しを行うことが重要です。ぜひ以下の記事も参考にしてください。
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